しずおかフィナンシャルグループの銘柄分析

1. 環境分析

株式会社しずおかフィナンシャルグループは、主に銀行業務を中心とした金融サービスを提供している。セグメント情報としては、静岡銀行を中心に、資産運用、信託業務、証券業務などが含まれる。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：地域経済の回復に伴い、貸出需要は緩やかに増加しているが、人口減少や高齢化により長期的な需要の伸びには限界がある。特に中小企業向けの貸出が重要なセグメントとなっている。
・競争における供給の状況：金融機関間の競争が激化しており、特に金利競争が影響を及ぼしている。新興のフィンテック企業が市場に参入し、従来の銀行業務に挑戦している。
・既存競合他社について：静岡銀行の主要な競合には、地元の他の地方銀行や大手都市銀行が存在する。これらの競合は、サービスの多様化や金利の引き下げを進めており、顧客の獲得競争が続いている。
・新規参入企業について：フィンテック企業やオンラインバンクが新たに市場に参入しており、特に若年層をターゲットにしたサービスが増加している。これにより、従来の銀行業務の枠組みが変わりつつある。
・代替品について：金融商品としては、クラウドファンディングやP2Pレンディングなどの新しい資金調達手段が台頭しており、従来の銀行融資に対する代替手段となっている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、経常収益162,260百万円、経常利益49,881百万円、親会社株主に帰属する中間純利益34,818百万円であった。前年同期比で経常収益は9.6%減少し、経常利益は10.0%減少したが、親会社株主に帰属する中間純利益は40.6%増加した。これは、減損損失の減少が寄与したためである。前期との比較では、経常収益の減少が目立つが、経常費用の減少により利益は維持された。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、経常利益96,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益66,000百万円である。経常利益は前期比で6.0%減少する見込みだが、親会社株主に帰属する当期純利益は14.2%増加する見込みである。リスク要因としては、金利の変動や地域経済の不透明感が挙げられる。また、競争の激化により、貸出金利の引き下げが利益に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において25.00円の配当を予定している。前期からの変更点として、配当額が増加している理由は、親会社株主に帰属する中間純利益の増加に伴うものである。株主還元の方針としては、安定した配当の維持を目指している。

5. 株価予想

上記の業績予想を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。