ケイヒンの銘柄分析

1. 環境分析

ケイヒン株式会社は、国内物流事業と国際物流事業の2つの主要セグメントを持つ。国内物流事業は倉庫業、流通加工業、陸上運送業を含み、国際物流事業は国際運送取扱業、航空運送取扱業、港湾作業を含む。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外の経済回復に伴い、物流需要は堅調に推移している。特に高付加価値商品の取扱いが増加しており、企業の物流コスト削減ニーズも高まっている。
・競争における供給の状況：物流業界全体での競争が激化しており、特に新規参入企業が増加している。これにより、価格競争が発生し、利益率の圧迫が懸念される。
・既存競合他社について：大手物流企業が市場シェアを拡大しており、特にITを活用した効率的な物流システムを導入している企業が競争優位性を持っている。
・新規参入企業について：新興企業が低価格でのサービス提供を行っており、特にデジタル技術を活用した新しいビジネスモデルが注目されている。
・代替品について：自社物流の代替として、外部の物流サービスを利用する企業が増加しており、特にコスト面での競争が影響を与えている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高249億1千1百万円、営業利益15億1千万円、経常利益16億4百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は10億9千9百万円であった。前年同期比で売上高は4.3％増、営業利益は6.2％増、経常利益は3.1％増、純利益は6.3％増となり、全体的に増収増益を達成した。前期との比較では、前年同期は大幅な減収減益であったため、回復基調が見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高500億円、営業利益29億円、経常利益30億円、親会社株主に帰属する当期純利益21億円を見込んでいる。これに対するリスク要因としては、円安の進行や資源価格の高騰、国際情勢の不安定さが挙げられる。特に、国際物流事業における海上運賃の変動が業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において70円の配当を予定している。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。配当の維持は、企業の安定した収益基盤を反映している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。