アルビスの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本の食品小売業界は、インバウンド需要の回復や雇用・所得環境の改善が見られる一方で、物価上昇に伴う生活防衛的な節約志向が強まっている。これにより、消費者は価格に敏感になり、安価な商品やプライベートブランド（PB）商品の需要が高まっている。
・競争における供給の状況：競争が激化しており、各社は差別化を図るために健康志向や簡便即食商品を拡充している。また、原材料価格の高騰や電気料金の上昇が供給コストに影響を与えている。
・既存競合他社について：主要な競合には、イオンやセブン＆アイホールディングスなどがあり、彼らは広範な店舗網と多様な商品ラインを持っている。競争が激化する中で、各社は顧客満足度向上に向けた施策を強化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、オンライン販売の拡大に伴い、EC専業の企業が市場に影響を与える可能性がある。特に、デジタル化が進む中で、利便性を重視する消費者に対して新たなサービスを提供する企業が注目されている。
・代替品について：代替品としては、コンビニエンスストアやディスカウントストアが挙げられる。これらの店舗は、利便性や価格競争力を武器にしており、消費者の選択肢を広げている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、営業収益48,365百万円（前年同期比0.2％減）、営業利益802百万円（前年同期比29.4％減）、経常利益1,061百万円（前年同期比25.0％減）、親会社株主に帰属する中間純利益683百万円（前年同期比24.6％減）となった。前期の新店通期化による増収や既存店舗の売上増があったものの、建替えや改装による一時休業の影響が大きく、業績は予想を下回った。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、営業収益99,429百万円（対前期増減率1.7％）、営業利益2,206百万円（3.0％増）、経常利益2,700百万円（1.1％増）、親会社株主に帰属する当期純利益1,704百万円（10.3％増）とされている。リスク要因としては、物価上昇による消費者の購買意欲の低下や、原材料価格の高騰が挙げられる。これらの要因が業績に与える影響は注意が必要である。

4. 投資に関する事項

配当は、2025年3月期第2四半期末において35.00円の予定であり、前期から変更はない。安定した配当政策を維持することで、株主還元を重視している。今後の業績に応じて配当額の見直しが行われる可能性があるが、現時点では安定した配当を継続する方針である。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。