オカモトの銘柄分析

1. 環境分析

オカモト株式会社は、産業用製品、生活用品、その他の事業という3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外での営業活動が活発であり、特に訪日客の増加によりコンドームや浣腸の需要が増加している。医療用製品や食品衛生用品も需要が堅調であるが、価格競争が激化している分野も存在する。
・競争における供給の状況：原材料価格の高騰や物流費の上昇が影響しており、供給側のコストが増加している。これにより、企業は価格転嫁を余儀なくされる可能性がある。
・既存競合他社について：競合他社は多岐にわたり、特に生活用品分野では大手企業が多く存在する。競争が激化しているため、差別化戦略が求められる。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は限定的であるが、特に環境に配慮した製品を提供する企業が増加している。これにより、既存企業も環境対応を強化する必要がある。
・代替品について：代替品の脅威は存在するが、特に医療用や食品衛生用品においては品質や信頼性が重視されるため、代替品の影響は限定的である。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高54,489百万円（前年同期比6.9％増）、営業利益4,919百万円（前年同期比3.2％増）、経常利益5,015百万円（前年同期比16.5％減）、親会社株主に帰属する中間純利益2,980百万円（前年同期比34.9％減）であった。経常利益の減少は、為替差損や公開買付関連費用の影響が大きい。前年同期は組織再編に係る税金費用減少があったため、純利益が大きく減少した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高111,000百万円（前年同期比4.6％増）、営業利益9,250百万円（前年同期比7.9％減）、経常利益10,400百万円（前年同期比14.0％減）、親会社株主に帰属する当期純利益6,700百万円（前年同期比9.3％減）である。業績予想の根拠としては、国内外での需要の回復や新製品の投入が挙げられるが、原材料価格の高騰や人手不足などのリスク要因も存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期末に60.00円の配当を予定しており、前年同期の55.00円から増加している。これは、企業の安定した利益基盤を背景にした株主還元の一環である。自己株式の取得や消却も行われており、株主還元に対する姿勢が見られる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。