ニチリョクの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、メモリアル市場に属し、主にお墓事業と葬祭事業を展開している。お墓事業は屋外墓地（一般墓、樹木葬を含む）と納骨堂に分かれ、葬祭事業は葬儀の施行を行っている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：高齢化社会の進展により、メモリアル市場の需要は増加傾向にあるが、消費者の節約志向や埋葬の選択肢の多様化により、旧来の一般墓の需要は減少している。樹木葬や納骨堂の需要は増加している。
・競争における供給の状況：競合他社も多様な埋葬形態を提供しており、価格競争が激化している。特に、インターネットを通じた情報提供が進み、消費者が価格を比較しやすくなっている。
・既存競合他社について：同業他社は、低価格競争を強化しており、特に葬祭事業においては、施行単価が下がる傾向が見られる。
・新規参入企業について：メモリアル市場は参入障壁が低く、新規参入企業が増加している。特に、オンラインサービスを提供する企業が目立つ。
・代替品について：代替品としては、散骨や樹木葬などの新しい埋葬方法があり、これらは従来の墓地に代わる選択肢として人気を集めている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高1,119百万円（前年同期比25.7％減）、営業損失69百万円、経常損失81百万円、中間純損失74百万円となった。前年同期は売上高1,506百万円、営業利益172百万円であった。業績の悪化は、円安による物価高や消費者の節約志向が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高3,400百万円（前期比19.2％増）、営業利益350百万円（23.0％増）、経常利益260百万円（17.9％増）、当期純利益200百万円（28.5％減）である。業績予想の根拠は、高齢化社会の進展に伴う需要の増加と、消費者ニーズに応じた新たなサービスの提供である。ただし、円安や物価高、競争の激化がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は2025年3月期第2四半期も0.00円であり、前期から変更はない。配当の維持は、企業の財務状況を考慮した結果であり、今後の業績回復に期待が寄せられている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。