三愛オブリの銘柄分析

1. 環境分析

三愛オブリ株式会社は、石油関連事業、化学品関連事業、ガス関連事業、航空関連事業、その他事業の5つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：エネルギー業界全体では、インバウンド需要による航空燃料の需要は堅調であるが、自家用車の利用控えや燃費向上により石油製品全体の需要は減少傾向にある。特に、灯油や軽油の需要が低迷している。
・競争における供給の状況：供給側では、原油価格の変動や円安の影響を受けており、コストの上昇が企業の利益を圧迫している。供給の安定性が求められる中、競争が激化している。
・既存競合他社について：競合他社は、価格競争を強化しており、特に石油関連事業においては、利幅の改善を図るための戦略が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に再生可能エネルギー分野で増加しており、従来の石油関連事業に対する競争が激化している。
・代替品について：電気自動車や再生可能エネルギーの普及により、石油製品の代替品が増加している。これにより、石油関連事業の需要がさらに減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高307,152百万円、営業利益5,532百万円、経常利益6,055百万円、親会社株主に帰属する中間純利益4,488百万円であった。前年同期比で売上高は3.4％減、営業利益は36.2％減、経常利益は33.6％減、親会社株主に帰属する中間純利益は20.4％減となった。業績の悪化は、石油製品の販売数量減少や航空関連事業における燃料取扱手数料の単価改定が主な要因である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高650,000百万円、営業利益12,500百万円、経常利益13,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益9,500百万円である。前年同期比で売上高は1.5％減、営業利益は25.9％減、経常利益は26.7％減、親会社株主に帰属する当期純利益は15.3％減と予想されている。リスク要因としては、原油価格の変動、円安によるコスト上昇、競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期末の配当金は50.00円であり、前年同期の30.00円から増加している。次期の配当予想も50.00円であり、合計100.00円となる見込みである。配当額の変更は、業績の回復を見込んだ結果である。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。