東京インキの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業の4つのセグメントから構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外の経済回復に伴い、特にインキ事業においては機能性製品の需要が増加している。化成品事業では自動車向けの需要が減少しているが、環境問題への対応としてプラスチックリサイクル製品の需要が高まっている。
・競争における供給の状況：原材料価格の高止まりが続いており、供給コストが上昇している。特にインキ事業では、原材料の供給不安定が影響している。
・既存競合他社について：競合他社も同様に原材料価格の影響を受けており、価格競争が激化している。特に機能性製品においては、差別化が求められる。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、環境対応製品を提供する企業が増加しており、競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、環境に優しい水性インキやバイオマス素材が注目されており、これらの製品が市場に浸透することで影響を受ける可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が222億5700万円で前年同期比4.7%増、営業利益は26億7000万円で5.5%増となった。一方、経常利益は29億円で41.8%減、親会社株主に帰属する中間純利益は30億4000万円で20.4%減となった。経常利益の減少は、米国子会社の出資金運用損や外貨建資産の為替評価によるものである。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高467億円、営業利益12億円、経常利益12億1000万円、親会社株主に帰属する当期純利益11億5000万円を見込んでいる。リスク要因としては、原材料価格の高止まりや国際情勢の不安定さが挙げられる。特に、物価高が消費マインドに与える影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において60円の配当を予定しており、前期からの増配となる。これは、業績の改善を反映したものである。通期では160円の配当を見込んでいる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。